<アデレードのことならおまかせ!>

日本語書籍のある図書館

日本を離れて生活すると懐かしくなる日本語の活字。アデレードでは限られてしまいがちな日本語との出会いだが、日本語書籍の蔵書がある図書館もある。読書や勉強はもちろん、ゆっくりとプライベートの時間を楽しむことができる図書館。秋の爽やかな空気の中、たまにはブラリと図書館に出掛けてみては?


アデレードには19のカウンシルがあり、それぞれのカウンシルがローカルの図書館を運営している。家の近所の小さな図書館から、膨大な数の南オーストラリア州の歴史文献が保管されている州立図書館まで、アデレードには様々な特徴をもった数多くの図書館がある。
また、移民の国オーストラリアだけあって、外国語で書かれた書籍が国別のコーナーとして置かれている図書館も多い。外国語の蔵書はその国のコミュニティの規模と比例してくるため、残念ながら日本語の書籍がある図書館はあまり多くないが、シティ近辺で日本語の蔵書がある図書館は次の通り。

 

Burnside Library

アデレードで最も日本語書籍が充実しているのがバーンサイド図書館。隣接するコミュニティセンターも合わせ、Japanese Cultural Dayや日本人形展など、日本文化に関わる様々なイベントが開催される、日本人コミュニティにとってはお馴染みの場所。図書館に設けられた日本語コーナーはきれいに整頓され、蔵書はざっと1,000冊以上。子ども向けの本も多く、雑誌が読めるのも嬉しい。また、館内にあるカタログ・コンピューターを利用すれば日本のDVDを観ることもできる。

 

Adelaide City Council Library (Grote Street)
セントラルマーケットにほど近い、アデレードシティカウンシルが運営する小じんまりとした図書館。しかし、2階に上がれば1,000冊近い日本語の書籍が堂々と並べられている。子ども用の絵本などもあり、蔵書には個人からの寄贈も多いという。

 

State Library of South Australia
アデレードの顔の一つとしてノース・テラスの中心に位置する州立図書館。日本語の書籍はないが、各国から取り寄せられている新聞の中には朝日新聞もある。また、館内のパソコンから「Library Press Display」という専用サイトにアクセスすると、その日の一般紙とスポーツ新聞を全ページ閲覧することもできる(パソコン使用の予約要)。さらに、英語の会話練習や文章チェックなど、英語のサポートが欲しい人向けにはELLIS (English Language Learning Improvement Service) と呼ばれる英語チューターサービスがある。ウィークデイに無料で利用でき、一人あたりの利用時間は25分間。申し込みはRegistration Desk横のELLIS Deskにあるアポイントメントシートに記入するだけ。
州立図書館のもう一つの特徴は、Mortlock Wingと呼ばれる伝統的な建物。その荘厳な雰囲気の中では、ゆっくりと落ち着いて読書できること間違いなし。もちろん、蔵書は手に取って読むことができる。

 

Universities
学園都市アデレードでは大学の施設も是非利用してみたい。ノース・テラスにキャンパスのあるアデレード大学と南オーストラリア大学、それぞれ図書館は在学生でなくても自由に入って閲覧することができる(書籍の貸し出しは有料)。アデレード大学には日本語の蔵書が多くあり、南オーストラリア大学には日本語の専門書などがある。ともに、日本人作家の著書が英訳されている蔵書も多く、日本語で読んだ本を今度は英語で読み直してみるのもよい。

 

IELTSの勉強に!
現在南オーストラリア州のすべての公立図書館で登録の際に発行されるLibrary Card Numberとパスワードを使用すれば「Road to IELTS」へアクセスすることが可能。「Road to IELTS」はIELTSの主催者であるBritish Council が開発した、IELTS受験者向けのオンライン自習システム。州内の公立図書館に登録さえすれば、図書館内はもちろん、自宅の自分のパソコンからも利用が可能となる。

 

秋の夜長に…。本屋さんのお薦め本

最近の話題作家といえば
東野圭吾の本
作品がどんどんテレビドラマ化・映画化され、今や日本で知らない人はいないのでは、というくらい人気のあるミステリ作家。人物の心理描写の巧みさに加え、ストーリーの奥行きや読みやすさで、一作品読むと続けてほかの作品も…という読者もたくさん。写真の本は3月3日には出版されたばかりの最新作『麒麟の翼』。東野のデビュー2作目に登場して以来、多くのファンを魅了してきた主人公、刑事・加賀恭一郎から今回も目が離せない。

 

オーストラリアに居いるからこそ読んでみては
Shadows of War 戦争の影 足立良子/アンドリュー・マカイ (Indra publishing)
第二次世界大戦中、日本軍がオーストラリアを攻撃したという事実をこの国に来てはじめて知った人もたくさんいるのでは。この本は、オーストラリア人の元戦争捕虜・従軍慰安婦である人々約180人にアンケート調査やインタビュー、彼らの体験や今の日本人への感情をそのまま一冊の本にまとめ、終戦60周年記念の2005年8月15日に出版したもの。英語で書かれているので手に取りにくい本ではあるが、オーストラリアに住む日本人として読んでおきたい一冊。著者が同テーマで日本講演を行った際の内容を記載した日本語小冊子もあるので、入門としてはそちらもお薦め。

 

海外子育てについて
『緑の森のバイリンガル』渡辺鉄太 (三修社)
翻訳家・絵本作家であり、言語学博士号を持つメルボルン在住の渡辺鉄太さんが、自らの「バイリンガル子育て」体験を綴った一冊。「メルボルンは『雑木林』のように楽しく色とりどりの多言語・多文化社会を持つ街だ」と語る渡辺さん。バイリンガルとは決して高学歴・エリート的なものでなく、こうした環境の中で自然に培われていくものだということが、肩肘はらない文章からじっくりと伝わってくる。本書にはシュタイナー教育や渡辺さんが主宰する日本語児童文庫「メルボルンこども文庫」についても書かれている。奥様でアーティストの加藤チャコさんによるイラストも素敵。

 

子ども向けの定番
『エルマーのぼうけん』ガネット (作)、渡辺茂男 (訳) (福音館書店)
囚われのリュウ、ツノを歯ブラシで磨くサイ、たてがみを三つ編みにしたライオン…、エルマー少年の冒険物語に今も昔もたくさんの子どもたちが心を踊らせてきた。児童文学の最高傑作とも表される同書は、実は『緑の森のバイリンガル』の渡辺鉄太さんの父親、渡辺茂男さんが翻訳を手がけたもの。エルマー・シリーズは読んであげるなら5歳くらいから。お母さん、お父さんといっしょに楽しむ素晴らしいファンタジーの世界は、どこにいてもお子さんたちの心の確かな糧となるはず。

 

英訳マンガ
『NARUTO ナルト』岸本斉史 (英訳版 VIZMEDIA)
日本のマンガ・アニメは、オーストラリアの子どもたち&大人たちの間でも大変な人気。中でも一番人気は『NARUTO』。日本のコミックよりもずっと高めで、子どもが読むものとしてはちょっと「”高値”の花」なのが難だが、少しずつ買い集めていく熱心な中高生も多い。『NARUTO』に続いて人気なのは『BLEACH』、『ドラゴン・ボール』、『ONE PIECE』、『Death Note』。英語の勉強やオージーの友達との話のネタにもOK。

取材・画像協力: メルボルンにある日本書籍のオンライン古本屋 『バーニングブックス』
www.burningbooks.com.au

編集: 2011年3月