ちょっと気になるお金のはなし

日本人の共通の問題

吉住京子
メルボルン在住のオーストラリアでは珍しい日本人ファイナンシャル・プランナー。 難しいお金のことを分かりやすくアドバイスする「お金の専門家」として、個人からビジネス・オーナーまで幅広いクライアントを持つ。日本人コミュニティー向けメディアでの連載記事やセミナーなどでも活躍中。
[ www.fpkyoko.com.au ]

オーストラリアに住む日本人には特有の問題があります。30代〜40代の女性が多く、その多くの方が国際結婚をしています。30歳ギリギリ前にワーキングホリデーなどでオーストラリアに来て、そのまま永住というケースも多々あります。家族で永住された方もいますが、全体的に日本人コミュニティーはまだ新しくオーストラリア第一世の方がほとんどです。文化の違い、物価の高さ、語学の壁などで、ライフスタイルはすごくいいのに、どうやって暮らしを豊かにできるのか、誰にサポートを求めたらいいのか分からず気がついたら時間だけが過ぎていたとクライアントさんの多くが言われます。

今まで会ったクライアントさんを見てきて大きく3つMistakeを上げることが出来ます。

1− No Action 行動しない
2− Wrong Action 間違った行動をする
3− No Review 見直しをしない

オーストラリアは毎年物価が上がっています。私が15年前オーストラリアに来た時に$350,000で買えた家は今では$800,000+と倍以上になっています。キャッシュで10,000ドル持っていても10年後には同じ価値はありません。日本とはかなり状況が違うのです。それを考えると自分が持っているスーパーがどうなっているのか知らない、銀行にお金を入れているだけで伸ばす投資をしていない、子供の教育費や不動産などの負債があるのに保険がないというのは不安材料です。また、お金持ちの友達が投資しているから不動産を買う、ライフプランを立てずに長期の投資にいれてしまう、家族の全体像を考えず税金対策のために負債を作るというのも自分の状況にあった行動をしていないのでれば、良い結果を生み出すより、問題を作ることもありえます。家族構成や将来への目的、負債や所得は変化します。そして家族と自分への責任も増えたり少なくなったりと状況は変わりますので、その際にもっとよいオプションがないのか見直しも必要になります。

日本人は他の人種に比べ、住んでいる地域もバラバラなのでサポートも少なく、親も日本にいる方が多く、オーストラリア人のように 実家に住んで貯金を増やすということも出来ません。その代わり日本人の国民性としてはルールを理解したらコツコツとスーパーに積み立てをしたり、貯蓄をするのは上手です。
まずはオーストラリアの金融システムを理解して、自分の状況には何ができるのかご相談ください。