Japanese Culture

「江戸切子」ー 美しさと品質を誇るガラス工芸品 (from 東京)

知る人ぞ知る、7月5日は「江戸切子」の日。
別名「カットグラス」と呼ばれる江戸切子は、素材・技法・色彩の違いだけではなく、天候や時間帯、角度によっても多彩な表情を見せてくれます。
窓際や灯りの下で、光を当ててみたり、傾けてみたり・・・いつまでも飽きることなく無心に眺め続けていられそうな江戸切子の魅力にせまります!

江戸時代から受け継がれる粋な和心

切子とは、ガラスをカットして文様を刻みこんだもののことをいい、江戸切子は、江戸時代から途絶えることなく受け継がれている日本の貴重な伝統工芸。
職人の手作業により、無色透明な透きガラス(鉛ガラス)にやすりで削ることでできる細かい文様。そこには連続した規則的な組み合わせパターンがあり、四季折々の情緒と和心が表現されています。深い切れ込みが生み出す神秘的な光の屈折も江戸切子の大きな魅力ですが、気が遠くなりそうな丹念なカット作業の前に、下絵が描かれることはないというから驚きです。

江戸切子の歴史と産地

日本が生んだカットグラス、江戸切子。その歴史のはじまりは、1834年、江戸大伝馬町のビイドロ屋 加賀屋久兵衛が金剛砂を用いてガラスに彫刻したことからはじまります。1853年に黒船で来航したペリーが久兵衛の切子のガラス瓶に感嘆したというエピソードも。1882年に、英人技師エマヌエル・ホープトマンからの伝授によって近代的な技法の基礎が作られます。江戸時代は、もっぱら透明なガラスに切子が施されていましたが、現在では、色被せ(いろきせ)ガラスを使った製品が主流。
明治期以降に一般にも広がりを見せた江戸切子。その一大産地となったのが当時の江戸、現在の東京です。現在も東京都の江東区を中心として、墨田区や葛飾区、また埼玉県でも製造され伝統が引き継がれています。

文様、種類、使われ方

たくさんの文様が存在する江戸切子は日常からヒントを得て、着物などの紋、植物や生活用具などがモチーフとして使われています。文様を左右対称に複雑に組み合わせることで、シンプルかつ豪華な仕上がりに。

それでは、江戸情緒の美意識とも言われるいくつかの代表的な文様をみてみましょう。

魚子文(ななこもん)

江戸切子の典型的な模様。魚卵の粒を表現しており光を当てるとキラキ光る小さな文様。

籠目文(かごめもん)

竹で編んだ籠の網目のモチーフ。六角、八角、菊籠目などがあり、 魔除けの役目も。

笹の葉文

他の文様と組み合わされることも多い放射状に延びた直線模様。笹には刀の切れ味やすぐに相手を切れるという意味も。

麻の葉文

麻の葉を均等に並べた正六角形を基礎とする文様。麻は、成長が早いことから、子供がすくすくと育つようにという願いも込められている。

七宝文

円形を四分の一ずつ連ねて網状にしたもの。中央に他の文様を組み合わせることも多い。

暮らしの器として庶民の中で愛されてきた江戸切子。その種類は食器、酒器、花器、置物、文具などの日常生活用品からメダル、トロフィー、万華鏡と多種に及び、デザインも古典的なものから新しい表現を取り入れたモダンなものまで。ガラスの素材、文様の深さ、手作業かどうかなどで価格が違ってきます。コレクションとしてはもちろん、お料理やお酒をさらに楽しく豪華なものにしてくれること間違いなし。専用桐箱に入ったものはプレゼントとしても最適。

あなたも熟練した江戸切子職人の技を実際に手にとってみたくなりませんか。

江戸切子をオーストラリアで手に入れるには

Like JAPAN!のセレクトショップへ

About 東京下町      

江戸時代の庶民文化を支えた東京の「下町」。「山の手」と呼ばれた高台の地域に対して低地にある町を下町と呼称されたといわれている。
日本橋、神田、向島、浅草、深川、、、今でも江戸情緒を残し懐かしい風情を漂わせる下町には古き良き東京の魅力が詰まっている!

<東京都>
列島のほぼ中央、関東地方の南部に位置し東京湾に面する世界有数の大都市。神奈川県、埼玉県、千葉県など近隣の生活圏を含めると人口約4,000万人の世界最大の都市圏となる。1603年から日本の首都として政治、経済、文化などさまざまな分野において日本の中心として発展し続けている。2020年には56年ぶりに夏季オリンピック・パラリンピックの開催地となる。

人口:1,300万人
面積:2,187km
オーストラリア姉妹都市: NSW, Brisbane/QLD(- Nerima-ward), Gosford/NSW (- Edogawa-ward), Manly/NSW (- Taito-ward), Sutherland/NSW (- Chuo-ward), Willoughby/NSW (- Suginami-ward), Marion/SA (- Kokubunji-city), Beimont/WA (- Adachi-ward), Bunbury/WA (- Setagaya-ward)

東京下町の見どころ

浅草寺
浅草駅から徒歩5分。入り口の雷門がトレードマークともいえる東京都内最古のお寺。仲見世通りはお土産屋さんで賑わう。江戸文化発展の中心地。
英語サイト: http://www.senso-ji.jp/about/index_e.html

東京スカイツリー
2012年5月に開業した全長634mの東京のランドマーク。国内最速のエレベーター(分速600m/40人乗り)で約50秒後には地上350mの展望台へ。450mの高さにも展望台があり、東京を見下す景色は圧巻。カフェやショップも楽しめる。
英語サイト: http://www.tokyo-skytree.jp/en/

江戸東京博物館
両国駅を降りるとすぐ目の前にあらわれる博物館。江戸の歴史や文化、東京への変遷に触れることができる 。英語でのガイドもあり。
英語サイト: http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/en/

両国国技館
両国駅から徒歩1分。大相撲の聖地として親しまれ、無料の相撲博物館も併設。「The SUMO」という英文パンフレットが100円で購入できる。休館日は事前に要チェック 。

歌舞伎座
歌舞伎専門劇場。歌舞伎タワー5階にはギャラリーがあり歌舞伎の魅力を体験できる。
英語サイト:http://www.kabuki-bito.jp/eng/top.html

月島(もんじゃ焼き)
月島駅に降り立つと約60軒はあるというもんじゃストリートがお出迎え。小麦粉をベースとした生地と具を混ぜて鉄板の上で焼きながら色々な味を楽しめる。

東京の観光公式サイトGO TOKYO
英語サイト: http://www.gotokyo.org/en/index.html